歯科を受診した際に自分が思っている以上に治療が行われたという経験はありませんか?歯科医院と患者さんの間には情報の非対称という状態が発生しています。この情報の非対称とは経済学において、需要側と供給側の持っている情報が大きく異なることを表します。つまり、患者さんに比べて歯科医は患者さんの歯の状態をよく知っているため、患者さんにとっては不要にも見える治療を行うことがあるということです。これは患者さんが気づかなかった歯の症状を治療してくれるということなので、患者さんにとってはメリットと言えます。

しかし、歯科医院が本当に必要な治療のみを行っているのか心配になるということも十分に考えられます。逆に必要な治療がなされていなかったり、すぐに終わる治療に時間がかかってしまったりということもないわけではありません。いざ治療が始まると歯科医の言う通りに治療を進めるケースが多いので、歯科医院選びの段階でしっかりとチェックしておくことが重要となります。選ぶ際には口コミなども参考になりますが、まずは公式サイトから的確に情報収集していくことをお勧めします。

最近ではかなりサイトの内容が細かくなっているので見極めやすくなりつつあります。歯科医院に通う上で多くの方にとっての関心事は痛みの問題です。痛みが強いということは通院することが億劫になるだけでなく、技術的に問題がある可能性もあります。歯科医院では麻酔を充実させることで痛みを抑えた治療が可能です。

もちろん、麻酔には一定のリスクがあるので使えば使うほど良いというわけではありませんが、麻酔の種類をしっかりと揃えているかをチェックしておくことが大切です。麻酔には注射針が入る感覚を分かりにくくするための表面麻酔、麻酔液が入ってくるときに痛みを感じにくい電動麻酔器などがあります。麻酔の種類が豊富であるということはその分、それぞれの状況に合わせやすいということになります。他にもチクッとする感覚が少ない33Gの注射針、針のない補助的な役割を持つ無針麻酔などがあります。

どうしても歯科医院に苦手意識があるという方は鎮静法という治療方法を用いているところがおすすめです。鎮静法とは意識の薄い状態にしてから行うことで痛みの感覚もかなり薄くできるという治療方法です。笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法などがこの治療方法にあたります。これらの治療を行うには高い技術が必要となるので技術的な水準の参考にもなります。

歯科医院での治療は極めて地道なものであり、1つ1つの虫歯に対して基本的には手作業で行っていきます。熟練の歯科医であれば感覚と経験で治療をする方もいますが、昨今では細かいところまでしっかりと見た状態で治療を行いやすくなっています。それを可能にしたのがマイクロスコープや拡大鏡です。マイクロスコープは肉眼の数十倍に視野を拡大できる歯科用の顕微鏡です。

目では見えないほどの虫歯にもアプローチできます。拡大鏡は肉眼の数倍に拡大することができる拡大鏡です。治療を円滑に進めるためには非常に重要な役割を果たす道具です。導入にはコストがかかりますが、歯科医院見極めのポイントになります。

歯科医院では歯を治療しているときには唾液が歯の中に入らないようにしています。そこで使用されているのがラバーダムというシートを使います。このシートを使うと治療中の歯以外を覆うことができ、治療が円滑に行いやすくなります。これはラバーダム防湿という処置です。

これらの道具を使っている歯科医院はそういった情報をホームページ上に掲載してくれる可能性が高いです。また、カウンセリングが丁寧かどうかといったことは口コミでチェックするのがおすすめです。昨今では歯科医院でもタブレットやモニターの導入が進められています。タブレットやモニターを使うことでどの歯を治療しているのかといったことが分かりやすくなります。

また、最新の機器を積極的に取り入れているということはサービスの向上に前向きであることが分かります。そのため、1つの見極めポイントとなっています。医療器具の滅菌状態も非常に重要です。歯科医院においてはオートクレーブという設備が高い水準での滅菌ができるとされています。

オートクレーブは高い圧力で高温の蒸気を生み出し、医療器具を滅菌します。歯科医院という限られたスペースで滅菌するには理にかなった設備と言えます。口腔外バキュームという設備がある歯科医院もあります。虫歯治療において歯を削っていると空気中に歯の粉末が舞ってしまうことがあります。

これを吸い込むために使用されているのが口腔外バキュームです。子供連れの方が通う場合はキッズスペースの有無もチェックしておくことをおすすめします。歯科医院では1度の治療で全てが完了するということはほとんどなく、何度も通う必要があります。そんな状況でも子供を連れて行くことができれば、子供のいる方にとっては大助かりです。

歯科医院に通う際にはどういった理由、事情で通うかも重要なポイントになります。例えば社会人の方が通う場合は遅い時間帯などにもオープンしている方が都合が良く、家事が忙しい方なら午前中の診療が通いやすいといった事情があります。子供が歯科治療する際にはいかにして歯医者さん嫌いにならないようにできるかが重要となります。まずは痛みを緩和してくれるところがおすすめです。

治療に痛いイメージを付けないことが先決です。それ以外にも待合室に絵本があったり、治療中にアニメを見せてくれたりといったサービスが行われています。子供向けのサービスを充実させている歯科医院は子供をメインターゲットしている可能性も高いです。最近では治療目的だけでなく、口腔クリーニングを目的として歯科医院に通っているという方もおられます。

その中でもルートプレーニングを行いたい場合は麻酔を行ってくれることが重要となります。麻酔を行ってルートプレーニングを実施すれば、より奥のプラークまで除去することができるようになります。麻酔を使うにはコストがかかるので、そのコストをしっかりとかけてくれるということも重要なポイントです。些細なことにも手間をかけてくれるのが良い歯医者さんの見極めポイントです。

歯科医院に通う中でもインプラント治療を行う際には専用の手術室を設置しているところがおすすめです。インプラントには高い技術力と衛生環境が必要となります。虫歯治療と同じ環境で行うのは容易ではないからです。施術の精神的な負担が心配という方はセデーションを行ってもらうという方法もあります。

麻酔は歯科医院を見極めるポイントの1つですが、麻酔の中には二段階麻酔と呼ばれるものがあります。二段階麻酔とはまず表面麻酔という塗るタイプの麻酔を行います。これによって歯茎の感覚が鈍くなっていきます。その状態でもう1つの注射による麻酔を行います。

この手順を踏むことで麻酔による負担を減らすことができます。手間がかかるものの、効果は大きく患者さんからの評判も上々です。他にも無心麻酔を組み合わせて麻酔による負担を減らそうとする歯科医院もあります。歯周病の治療の場合は歯周病の専門医が在籍しているかをチェックしておくのがおすすめです。

歯周病の専門医とは日本歯周病学会が認定しているものであり、治療の技術や知識は折り紙つきです。歯周病の治療は専門性が高く、初期の状態から見極めてもらうためにも歯周病の専門医の診療を受けるのが有効となっています。